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【幼児食】子供を守る食材の切り方

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乳幼児向けに販売されている同一のパンを食べた生後10カ月と11カ月の男児2人が窒息する事故が起きていたことが、国民生活センターへの取材で分かった。このうち10カ月の男児は死亡した。同センターは商品の大きさや硬さに問題があったとして、消費者への注意喚起のため近く公表する。製造会社は、事故を受けて対象年齢を10カ月ごろから1歳以上へと改めており、今後、パンを軟らかくしたり、一口で口に入れられない大きさに変更したりする。

(引用ここまで)


悲しい事故が起きてしまいました。
子どもの窒息、誤嚥事故は後を絶ちません。去年も給食の巨峰を食べて4歳児が亡くなってしまう事故がありましたね。


(参考給食のブドウで4歳児が窒息死 子どもの誤飲事故はなぜ繰り返されるのか | 毎日新聞)


子どもの窒息死は、大人が気をつけていれば絶対に防げます。
保育園で給食を提供する者として誤嚥事故は絶対に起こしてはいけないと改めて強く思います。


基本は小さく切ること


誤嚥事故を防ぐために各保育園や幼稚園で様々な工夫をしていると思います。

消費者庁からもミニトマトやブドウ等の球状のつるつるした食品を丸ごと食べさせるのは誤嚥の危険があるとしており、給食での提供を見合わせたり小さく切るよう指導しています。


私の勤める保育園でも、ミニトマトや巨峰を給食で提供する際は皮をむいたり予め切っておくようにしていました。
このほかにも気を付けていることはたくさんありますが、共通していることは、一般的な大人が想定するよりも小さく切る、ということです。



・キャンディーチーズ、ウズラの卵、グリーンピースは提供を取りやめる

・噛み切れない食材(イカ、椎茸、パプリカ、こんにゃくなど)は1cm角切りにする

・大豆は粗みじん切りにする


など。
大量調理現場で食材を小さく切るのは大変ですが、手早く素早くいかに作業を進めるかは栄養士や調理員の腕の見せ所。栄養士は作業が煩雑にならないような献立を立てるなど現場と協力しています。


ここ数年の間に子どもの誤嚥防止事故が多発し、危機意識が高まってきたように感じます。
例えば節分の豆まきも、年中行事だから毎年行っていましたが乾燥大豆の誤嚥のリスクがあると認知され、より安全に行えるよう見直す動きが出てきました。

「今までやってきたから大丈夫」

と、私たちはつい考えがちですが(安全性バイアス)いったん立ち止まって「本当に安全か?」と疑い続ける姿勢が保育園職員としても保護者としても大切だと思います。