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子どもがご飯を食べない理由と対策は?保育園給食のポイント教えます

子どもがご飯を食べない理由と対策を保育園給食のポイントから教えます

この記事がおすすめの方

・子ども向けの食事で気をつけるポイントを知りたい方
・子どもの食べ残しや好き嫌いで悩んでいる方



こんにちは!子育て栄養士の ぴん (@gochi_tabe)です。


私が栄養士として仕事をしていると、


子どもがご飯を食べてくれない!


と保護者の皆さんからよく相談を受けます。


せっかく用意した食事を食べてくれないのはとても残念な気持ちになりますよね。


それは給食であっても同じです。

しかも家庭と異なり、1度に何人もの子どもたちを相手にするので、給食の時間は非常にあわただしくなります。

スムーズな運営のためにもご飯をぱくぱく食べてくれるのはとても重要なのです。


そのため保育園や幼稚園で提供する給食には、子どもたちが残さず食べられるようたくさんの工夫が詰まっています!


今回は子どもがご飯を食べてくれない代表的な理由ご飯が食べやすくなる保育園給食のポイントを紹介します。





子どもがご飯を食べてくれない理由

食事を嫌がる子ども

理由は様々あるのですが、代表的なものを3つ挙げます。


食事に集中できない

目の前に好きなおもちゃがあったりテレビがついていたりすると、子どもは気が散って食事に集中できません。

遊びと食事の切り替えができるように、食事の前はおもちゃを片づけたり手洗いをするなど、習慣を作るといいでしょう。


このほかにもテーブルやいすが体に合っていなかったり、スプーンやフォークが上手に使えないなども集中力を下げる要因になります。

子どもの成長に合わせて食事の道具もこまめに見直しましょう。


食材を噛み切れない

子どもたちは大人と違って歯が生え揃っていませんので上手に噛みきることができません。

一般的に生後7,8ヶ月頃に初めて歯が生えてから、2,3歳くらいでようやく乳歯が生えそろいます。

さらに5,6歳頃から永久歯に生え変わり奥歯の永久歯がそろうまでに約16年程かけてようやく大人と同じ歯になります。

それまでの間は歯の状態に合わせた食事を用意してあげるようにします。



試しに普段の食事を前歯だけで食べてみてください。

子どもは歯が生えそろっていないため、大人が考えるよりも上手に食材を噛み切れません。

歯が生えそろわない頃は薄っぺらいものや弾力の強いもの(奥歯で磨り潰して食べるもの)は上手に噛めないので苦手になりやすく、嫌いになる原因になってしまいます。


歯の状態に合わせた大きさに食材を切ってあげれば、きっと食べることが楽しくなるはずです。


保護者に甘えている

保育園では食べるのに家では食べてくれない


という時に案外多いのが保護者に甘えているという理由。



保育園での給食の時間は先生の指導や周りの友達の目があるのでワガママを言わずに食べるのですが、保護者の前では甘えて好き嫌いを言ってしまうのです。

保護者としてはうれしい半面、やはり食べ残されるのはイライラしてしまいますよね。



できるだけ食事の時間が楽しくなるように、少しでも食べてくれたら


「すごいね!」「上手に食べられたね!」


と声をかけてあげると、食べることに積極的になってくれるかもしれません。

子どもが食べてくれる保育園給食のポイント

給食を食べる子ども

子どもがご飯を食べない理由は周りの環境や食事の内容など様々ありますが、ここでは給食の面から子どもたちが残さず食べられるよう工夫していることを紹介します。



順に説明していきます。


ご飯はやわらかめに炊く

育児書などで離乳食の終わりごろに勧められている軟飯を、離乳食が完了した1,2歳児にも食べてもらっています。

軟飯とはまだ噛む力が未熟な子どものためのご飯のことで、ベタっとしていてちょうどお粥とご飯の中間くらいの固さです。



個人差はありますが、離乳食のお粥は食べたのに幼児食にステップアップしたらご飯を食べなくなった、という子どももいます。

おかずは大人も食べられる幼児食にして、ご飯だけは子ども用に軟飯を用意してあげると調理の負担を軽くできると思います。



作り方は炊飯器を使う方法と、食べる分だけレンジで用意する方法があります。


<作り方1.炊飯器を使う方法>

白米2合に対して水を3合の目盛りまで注いで炊きます。


<作り方2.レンジで食べる分だけ軟飯を作る方法>

①普通の水分量で炊いたご飯に同量の水を混ぜる
②ラップをかけてレンジで1分加熱して10分くらい蒸す



具材は適切な大きさに切る

保育園の方針にもよるのですが、私の勤務先では噛み切りにくい食材は小さく切るようにしています。



<例>

  • 固いゴボウやレンコンなどの野菜→1cm角ぐらいに切ってから丁寧に下茹でする(煮物の場合)
  • 筋が残るインゲン→2cmくらいに短く切る
  • プリプリ食感のコンニャク→汁物に入れるなら薄切り。煮物なら1cm角切りか、つきこんにゃくをザクザク切る
  • 意外と噛み切れない油揚げ→基本的に千切り




普段私たち大人が食べるよりもかなり小さく切るので、箸でつまむのは少し大変です。

ですが子どもにとっての適切な大きさに食材を切ることで歯が生えそろっていなくても飲みこみやすくなり、さらに誤嚥防止にも繋がります。



誤嚥事故を防止するための食材の切り方について書いたこちらの記事もぜひ合わせて見てください。
gochisou-tabetai.hatenablog.com



苦手食材はトロミをつけてあげる

魚やお肉のパサパサ食感が嫌で食べないことがあります。

そんな時はあんかけにしてトロミをつけてあげると食べやすくなります。

お肉なら片栗粉をまぶしてから焼くと肉汁が染み出さずしっとりと焼きあがります。


ただし子どもによっては注意が必要です。

食べ慣れない料理だと大人たちからは予測できない食べ方をされて思惑が外れることもあります。


給食で魚のムニエルにポタージュソースをかけて提供したら魚にかかったソースだけを先に食べて魚を残す子どもがいたと担任の先生から教えられました…(苦笑)



子どもにとって見慣れない料理をだすときは、どうすればおいしく食べられるのかを目の前で実践して見せてあげるとよさそうです。


カレーは万能料理

ここまでのポイントをまとめると、カレーライスは万能料理であるといえます。



ご飯はルウが染みてやわらかくなり
固い野菜もよく煮込んで食べやすくなり
程よいトロミがついている


おまけに味が苦手な食材の風味も香辛料のおかげで隠れるメリットもあります!


カレーは基本の食材(にんじん、玉ねぎ、ジャガイモ、お肉)以外の食材を入れてもおいしくなりますので、案外レパートリーが多くアレンジが効きます。

毎回異なるアレンジを加えると前回との違いを探してもらったり、「今日は何が入っているかな?」と会話のネタにもなり食事への関心も生まれます。


まとめ

今回は子どもがご飯を食べてくれない代表的な理由ご飯が食べやすくなる保育園給食のポイントを紹介しました。


家庭でスムーズに食べてもらえるように実践したいのは

・食べる前に机の片づけやテレビを消すなど食卓の準備をして集中して食べられる環境を作る
・発育に合わせた食材(固さや大きさ)を用意する


そして子ども向けの幼児食調理のポイントです

・離乳食を卒業しても軟飯を食べさせてOK
・繊維質な食材は小さく切ってあげる
・パサつくものはあんかけにしたりトロみをつけてあげる


そして1番は食べることは楽しいことという気持ちを共有することです。

周りの大人が笑いながら楽しく食べる姿を見せることは、子どもが食事に興味を持つ大きな原動力だからです。


好物を用意したりたまの外食に出かけたりして、おいしく食べることも立派な食事です。

今回の記事が、親子で一緒に楽しく食卓を囲む一助になればうれしいです。


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最後まで読んでくださってありがとうございました。