【料理】栄養士が実践している家庭の献立の立て方4ステップ
毎日のご飯づくり、お疲れ様です!
栄養士としての私の業務内容は実際に厨房で給食を作る現場仕事と、デスクで伝票の整理をしたり日報作成など事務仕事に二分されます。
業務時間の割合でいえば7:3くらいで現場仕事が多いのですが、事務仕事を毎日こなさなければ給食経営はできません。
その事務仕事の中でも栄養士が栄養士たるメインの業務が献立立案です。
給食室のすべての業務内容を決めるといっても過言でない献立ですが、自分の好きなものや作るのが簡単なものだけを入れればいいわけではありません。
栄養バランスや喫食者や時期に合う食材やメニューであるのはもちろん、食べる人の好みやリクエストも組み入れます。
さらに食材在庫がたまらないようにしたり納品業者の都合も考慮する等、様々な要素が絡み合うので、多くの栄養士はウンウン頭を抱えて献立を考えていると思います。
ところでこうした献立立案に絡む要素って、家庭で毎日の献立作りに重なることも多く、実際に私自身が自分の家庭のご飯を考えるうえで役立つことも多いです。
ここでは仕事で身に着けた献立立案の技術から、家庭でも生かせる献立作りのポイントを紹介します。
結論
今回紹介する献立の立て方は以下の4ステップで考えるとスムーズに決まります。
①制約を見つける
②たんぱく源×味付けでイメージを固める
③調理方法を決める
④旬や価格を見て野菜を決める
①制約を見つける
まず考えるのは料理を作る制約です。
人によっても様々だと思いますが、例えば
- 燃えるごみの日の前日は生ごみが多い料理にする
- 仕事が大変な日はインスタントや総菜にする(割り切りも大事)
- 最寄りのスーパーの特売日に日持ちのしない食材を買って使うようにする
- 日曜日は好きなものを買って食べるようにする
などが挙げられます。
制約と聞くと窮屈に感じるかもしれませんが、家庭の料理ってやろうとすると際限なくこだわって作れてしまうので、逆に疲れて自炊が長続きしないのではないでしょうか。
自分なりの心地よく料理ができるルールを見つけましょう。
献立作りの一番の目的はストレスなく毎日ご飯を作って食べられることですからね!
ちなみに私が家庭で決めている制約は
- 週に2回ある燃えるゴミの日の前日は生ごみの多い野菜料理か魚料理にする
- できるだけメインのたんぱく源の種類が続かないようにする
- 週に1度は生協の宅配パルシステムのミールキットに頼る
この3点です。
これさえ押さえればあとは何を作って食べても良しとしています。
パルシステムはミールキットが充実しているので忙しいときに特に助かります。
ミールキットや冷食など、外食するよりも食費を抑えられるのでおすすめです。
②たんぱく源×味付けでイメージを固める
制約を見つけたらその中で食べる料理を決めます。
どんなメニューでも味を決めるのはたんぱく源と調味料です。この二つで料理の軸が定まります。
たんぱく源とは肉や魚、豆腐、卵などですが、特に肉を使うのなら切り方や部位、魚なら種類までここで決めてしまいます。
肉の部位や魚の種類によって適した調理法はありますが、ここでは考えないでおきます。
そして調味料。
和食なら醤油とか麺つゆ、洋風ならコンソメやケチャップなどその日の気分で決めます。
悩んでしまったら冷蔵庫で一番残量の多い調味料を使うとするのがおすすめです。
調味料の組み合わせは無限にありますが、私が多用しているのが
- めんつゆ(迷ったら全部めんつゆ味にする。味が決まらないときに足すと和洋中だいたい何でもおいしくなる。)
- しょうゆ+みりん(和食の王道。照り焼きや肉じゃが、唐揚げにも。)
- 味噌+砂糖+酒(みそだれ。豚肉との相性がとにかくいい。)
- お酢+ケチャップ(甘酢味になる。炒め物でもあんかけでも。)
- マヨネーズ+梅干し(こってりしたマヨネーズが梅干しで後味さっぱり。)
- トマト缶+中濃ソース+粉チーズ(粉チーズがコクを足してくれる。)
- カレー粉+砂糖(カレー炒めにしてもよし。揚げ物の衣にまぜるもよし。)
この中から選べば毎日味が被ってマンネリなんてことも防げると思います。
③調理方法を決める
揚げる、焼く、蒸す、煮る、炒める
その日の時間とやる気と相談して決めます。
一番多いのはやっぱり簡単な炒め物になってしまうので時々揚げ物(私の中で一番ハードルが高い)も作るのですが、調理中に子どもが泣き出したりすると時間が無くなってしまうこともあります。
その時はもう割り切って炒めます。
唐揚げにしようと下味をつけて揉みこんでいた鶏もも肉が適当な野菜と合わせて照り焼き風炒め物になる…なんて日常茶飯事ですが、最終的においしくたべれればいいのです。
蒸し物は主に電子レンジを使います。
バンバンジーや煮びたしのような料理はレンジのほうが逆においしく失敗もしないでしょう。
ただしレンジ加熱は中までしっかり火を通すにはそれなりに時間がかかるのと、メイン調理のほかに作り置きのおかずや火やご飯の温め直しにも使うのであまり多用しすぎるのも注意が必要です。
④旬や価格を見て野菜を決める
ここまで来たら献立の半分はもう決まったも同然です!
最後は一緒に食べる野菜や添え物、もしくは主菜と一緒に出す汁ものの具や副菜を決めます。
野菜はその時期の旬の食材か冷蔵庫に残ったものを使うのが簡単だと思います。
野菜の旬がわからない!という方、スーパーで一番目に付く特売価格の食材がそれにあたることが多いです。
旬の食材は生産コストがほかの季節に比べて抑えられ、流通量も多いですから、売り場に占める割合が増えるはずです。
補足
手順②~④は同時並行で進めてもいいですし、順番が変わってももちろんいいです。
またキッコーマン「うちのごはんシリーズ」のような調味料がすでに出来上がっているものを買って、手物にある食材で一品作るのもいいと思います。
価格:176円 |
まとめ
いかがだったでしょうか。
献立を立てるのに必要な4ステップは以下の通りです。
①制約を見つける
②たんぱく源×味付けでイメージを固める
③調理方法を決める
④旬や価格を見て野菜を決める
これを応用すれば、1週間や1か月など長いスパンで献立をあらかじめ決めておき、まとめ買いをするときに無駄な買い物を防ぐことも可能です。
食事の用意は家庭の事情や好み、またモチベーションによってゴールラインが全然変わります。
なので、もっと効率のいいやり方や考え方もあるかもしれませんが、日々のご飯づくりの一助になればとてもうれしいです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。